税理士とのコミュニケーション、うまく取れていますか?

こんにちは、YAAC税理士事務所の山田です。

「税理士に、なんとなく話しにくい」

経営者の方からこういう話を聞くことがあります。毎月数字の報告は来る。でも、もう少し踏み込んだ話をしたいのに、なんとなくそのタイミングがない。聞いてもいいのかどうかわからない——。

実はこれ、税理士側も同じように感じていることがあります。「もっと会社の状況を教えてもらえると、より深い提案ができるのに」と思いながらも、忙しそうな経営者に踏み込むタイミングをつかめない、ということが起きています。

つまり、どちらも「もっと話したい」と思っているのに、お互い踏み出せていない状態です。今日はそのことについて、少し正直に書いてみます。


コミュニケーションは、どちらか片方の努力では成り立たない

「税理士との関係がうまくいっていない」と感じるとき、原因を税理士側だけに求めてしまいがちです。でも、コミュニケーションというのは本質的に、双方が関わって初めて成り立つものです。

たとえば、「相談しにくい雰囲気がある」と感じているとします。もしかしたら税理士側は、経営者が相談を望んでいることに気づいていないかもしれません。「忙しそうだから遠慮しているのかな」と思っているだけ、ということもあります。

反対に、「税理士がこちらの状況を分かってくれない」と感じている場合、会社の内部事情や悩みを共有できていないことが原因になっていることもあります。税理士は、教えてもらっていないことについては、知ることができません。

コミュニケーションの不満は、どちらかが悪いというより、「お互いがお互いを待っている」状態から来ていることが多いと、私は感じています。


経営者側からできること

もし今の税理士との関係に「なんかもやもやする」と感じているなら、一度こんな視点で振り返ってみてほしいのです。

最近、会社の数字以外の話を税理士にしたことがあるか。新しい事業の構想、採用の悩み、資金の不安——そういった話を、自分から切り出したことがあるでしょうか。

税理士は「聞かれたことに答える」ことに慣れています。逆にいえば、聞いてもらえると、意外と話が広がることがあります。「こんなことを相談していいのかな」と思っていることほど、実は相談してみる価値がある。そう感じています。

もちろん、「それを自分から言わないといけないの?」と感じる方もいると思います。そのとおりで、それが次の話になります。


それでも、税理士側が寄り添えなければ話にならない

ここまで書いてきたことは、あくまで「お互いができること」の話です。でも正直に言えば、どれだけ経営者側が歩み寄ろうとしても、税理士側がそれを受け止めなければ、関係は変わりません。

月次の数字を届けるだけで満足している税理士。「相談してもどうせ一般論しか返ってこない」という経験を積み重ねてしまった関係。そこには、経営者側の努力だけでは超えられない壁があります。

私はこれを「対話が成立していない状態」だと思っています。情報は伝わっている。でも、経営者の頭と気持ちの中にあるものが、税理士に届いていない。それは、関係の問題です。

もしそういう状態が続いているとしたら、それは税理士を変えることも含めて、真剣に考える価値があると思います。言いにくいことですが、正直に書きます。


AIは寄り添ってくれる。でも、それは本当の壁打ちか?

最近、AIを使って経営の相談や考えの整理をしている方も増えていると思います。私自身も日常的にAIを活用していて、その便利さは本当に感じています。

ただ、一つ気になっていることがあります。AIは、こちらが求めている答えに近いものを返してくれます。話しかければ必ず応じてくれて、否定されることも、沈黙されることもない。とても「寄り添ってくれている」感覚があります。

でも、それは本当に壁打ちになっているのでしょうか。

AIはこちらの意図を読み取り、求めているものを返すように設計されています。つまり、自分が聞きたいことに対して、聞きたい答えが返ってくる構造になっています。それは便利である一方で、「自分の思い込みをそのまま強化してしまう」リスクも持っています。

本来の壁打ちというのは、自分の考えに対して「それは本当にそうですか?」と問い返してくれる存在があってこそだと、私は思っています。都合の悪いことを指摘してくれる人、別の角度から見ている人——そういう相手との対話が、判断の精度を上げていく。

AIを否定したいわけではありません。うまく使えば情報整理や思考の言語化には本当に役立ちます。ただ、「経営の判断について誰かと話す」という行為においては、人間との対話に意味があると、今も感じています。


本当の伴走とは、お互いが本音で関わること

私が大切にしているのは、経営者の方に「この人には本音で話せる」と感じてもらえる関係です。

弊事務所の顧問先の方が「先生」と呼ぶことはほとんどありません。それは意図的にそうしているわけではなく、気づいたらそういう関係になっていた、という感じに近いです。数字の話から経営の話、時に組織の悩みや個人的なプレッシャーまで、自然に話が広がっていく関係がある。

それができるのは、私が意識していることがあるからだと思っています。経営者の話を聞くとき、答えを先に決めて聞くのではなく、その人が何を大切にしているかを先に理解しようとすること。数字を渡すより、「次にどう動くか」を一緒に考えることを優先すること。

伴走というのは、前を歩いて引っ張ることでも、後ろから追いかけることでもないと思っています。横に並んで、同じ方向を見ながら歩くこと。それが、私の考える税理士としての関わり方です。


「税理士と話しているけど、どこか他人行儀な気がする」
「数字以外のことを相談していいのか、いつも迷ってしまう」
「もっと経営の話を一緒に考えてくれるパートナーが欲しい」

そんなお悩みをお持ちの経営者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お話を聞かせていただくところから始めますので、まずは一度声をかけてみてください。

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YAAC税理士事務所
山田 直広