個人版【災害に対する義援金・寄付金を支出した場合の税金の取り扱い】

西日本の豪雨により、亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。

この度の災害に心を痛め、義援金を寄付された方も多いかと思います。
そこで当ブログでは、個人の支出する義援金の扱い(特にふるさと納税及び、ワンストップ制度の適用可否)についてまとめたいと思います。


寄付金控除 と ふるさと納税 の違い


義援金の取り扱いについては、先に寄付金控除とふるさと納税の違いを理解する必要があります。

~寄付金控除の場合~

寄付金控除とは所得税計算における所得控除の内の一つであり既存の仕組みとなります。(余談として所得控除は全部で14種類あります。)

控除は〔支出金額から2,000円を引いた金額〕を税額計算前の所得から差引きます。
※所得金額に応じた限度額あり。
控除額=税金減額ではありません(下記計算例参照)

<寄付金控除の税減額の計算例>
・便宜上税率を慣らしています。
・各種控除後の課税所得400万円(注1)・最大税率20%と仮定します。
・寄付金額は102,000円(足切り2,000円)とします。
(注1)年間給与収入800万円・配偶者控除・社保控除後として想定

① 寄付がない場合の課税所得金額:400万円
② 寄付金支出後の課税所得金額:390万円 = 400万円-(10万2千円-2千円)
③ ①と②の所得税差額:(400万円-390万円)×20%=2万円
※このほか住民税の控除対象となれば住民税率10%にて更に1万円の税負担軽減もあります。

<結果>
10万2千円の寄付に対して税減額は2万円(住民税含め3万円)になります
なお、寄付金控除は確定申告を行うことで適用されます。

<免責>
あえて正式な税務用語は使っていません。
(例1)課税総所得金額→課税所得
(例2)控除後算出税額の差額→税減額


~ふるさと納税の場合~

ここでは税減額の計算は確定申告を行った場合についてのみで説明します。
※確定申告を行った場合とワンストップ制度を申請した場合には所得税と住民税の減額割合が違いますが控除される合計額は同額です。
【参照リンク:総務省 ふるさと納税ポータルサイト・ふるさ納税の仕組み】
【参照リンク:総務省 ふるさと納税ポータルサイト・制度改正について】

<ふるさと納税制度の税減額の計算例>
・各種控除後の課税所得400万円(注1)・最大税率20%と仮定します。
・寄付金額は102,000円(足切り2,000円)とします。

① 所得税から上記の通り寄付金控除を行います(税率分のみの減額)
② 住民税からは①で減額されなかった残りを全額(2千円別途足切り)控除します。
③ 合計税減額は①と②の合計=10万円
※ふるさと納税には控除限度額がありますが上記前提条件では限度額は約12万円となります。

<結果>
寄付金を10万2千円支出した場合の税減額は10万円になります

<ワンストップ制度の申請時注意点>
確定申告を行った場合、ワンストップ制度(申請したものも含め)は適用されません。
寄付先が5か所を超えた場合、ワンストップ制度は適用されません。


災害に対する義援金の取り扱い


個人が災害支援に係る義援金を支出した場合の所得税の取り扱いはその支出先に応じてそれぞれ下記の通りとなります。

なお今回の豪雨災害について国税庁から【平成307月豪雨に関するお知らせ】が公表されています。
また上記URL内に【義援金に関する税務上の取扱いFAQ ※PDFリンクが公開されています。
上記リンクに詳しく説明が載っていますがここでは、必要と思われる部分だけを抜粋、説明いたします。

<比較取扱い事項として>
義援金の支払先別にそれぞれが下記の対象となるかを記載いたします。
㋑ 寄付金控除
㋺ ふるさと納税
㋩ ワンストップ制度

< 県の災害対策本部や義援金配分委員会>
㋑ 寄付金控除・・・・・・対象
㋺ ふるさと納税・・・・・対象
㋩ ワンストップ制度・・・対象

<日本赤十字社、中央共同募金会>
限定範囲:被災支援として専用口座を設けて募集し、最終的に地方公共団体等に拠出されるもの
㋑ 寄付金控除・・・・・・対象
㋺ ふるさと納税・・・・・対象
㋩ ワンストップ制度・・・対象外
※日本赤十字社、中央共同募金会に対する通常の寄付は、ふるさと納税の対象になりません。

<被災地支援を行っているNPO法人>(他に公益社団・財団法人への支出も同様)
限定範囲:下記の要件を両方とも満たすものに限る。
・そのNPO法人が認定NPO法人であること。
・支出する義援金が特定非営利活動に係る事業に関連するものであること。
㋑ 寄付金控除・・・・・・対象 ※他に寄附金税額控除(今回は説明割愛)を選択すること可
㋺ ふるさと納税・・・・・対象外
㋩ ワンストップ制度・・・対象外

<募金を取りまとめる任意の団体>
限定範囲:その義援金が、最終的に地方公共団体に拠出されるものであることについて、税務署の確認を受けるているもの。
㋑ 寄付金控除・・・・・・対象
㋺ ふるさと納税・・・・・対象
㋩ ワンストップ制度・・・対象外

まとめ・・・

〇 寄付金控除のみが対象となるもの
・・・認定NPO法人等への寄付
⇒〔支出金額×税率分の金額〕のみが税の減額となります。
⇒ 税の減額適用を受けるためには確定申告が必要になります。

〇 ふるさと納税(ワンストップ制度可能)の対象となるもの
・・・県の災害対策本部等への寄付
⇒〔支出金額のほぼ全額(-2千円)注3〕が税の減額となります
⇒ 通常のふるさと納税と同様にワンストップ制度で確定申告不要になります。
(注3)控除限度額以内で

〇 ふるさと納税(ワンストップ制度不可)の対象となるもの
・・・日本赤十字・任意団体(条件を満たすもの)等への寄付
⇒〔支出金額のほぼ全額(-2千円)注3〕が税の減額となります
⇒ 税の減額適用を受けるためには確定申告が必要になります。

※ワンストップ制度対象外のものは、確定申告を忘れないようにしましょう。
また確定申告を行った場合、他のふるさと納税でワンストップ制度の申請を行っていたものも改めて確定申告が必要になりますのでご注意ください。