<免責> この年末調整マニュアルは配布した従業員様のみを対象としております。 記載されている内容は、専門用語の改変、細かな要件の排除、その後の個別確認等で分かる範囲の説明省略などを行っています。 本記事は、顧問先従業員様向けとなりますので、第三者等へは公開しないようにお願いいたします。 本記事において生じた紛争・損害・損失等について山田直広税理士事務所は一切の責任を負わないものとします。 <目次> 1.年末調整に向けた予備知識 2.記入書類一式 3.扶養控除等申告書の書き方 4.基・配・調整控除申告書の書き方 5.保険料控除申告書の書き方 6.住宅借入金等特控除申告書の書き方 7.書類の提出 <質問はLINEにて> 年末調整のご質問は山田直広税理士事務所公式LINEにてお受け致します。 事前に下記ボタンから友だち追加をお願いします。 パソコンの方はこちら 1 年末調整に向けた予備知識 ◯ 年末調整とは?会社があなたの代わりにあなたの税金(所得税)を計算し、国に申告と納税を行う手続きです。その後の会社の手続きで来年の住民税も決まります。 ◯ 年末調整の対象者とは? 年末まで在籍している人全員が対象です。 ただし、2箇所以上で勤務している人は、年末調整の実施先が下記の通りとなります。 ・1箇所のみで働いている方・・・勤務先で年末調整を行う。 ・2箇所以上で働いている方・・・主たる勤務先で年末調整を行う。 ◯ 主たる勤務先とは?今年分の【給与所得者の扶養控除等(異動)申告書】(※以下【扶養控除等申告書】と表記します)を提出先している勤務先です。 今年に2箇所以上で勤務※を行い、当社以外へ上記書類を提出している場合には当社での年末調整は行えません。※転職の場合には、2箇所以上で勤務に該当しません。 ○ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは?・毎年勤務先に提出する書類ですが、同時に1箇所の勤務先にしか提出できません。・転職をした場合には、転職先入社時にこの書類を再度提出する必要があります。・2箇所以上で兼業している場合には、原則として給与の高い(見込み)方へ提出します。・原則として、兼業の方は年の途中で 提出先を変更することはできません。 2 記入書類一式 下記書類を記入して会社へ提出してください。 (1)令和5年分扶養控除等申告書 →既に記入済みの書類に変更がある場合には修正が必要です。 (2)令和6年分扶養控除等申告書 →来年分の書類をこのタイミングで作成します。 (3)令和5年分基礎控除、配偶者(特別)控除及び所得金額調整控除申告書 →簡易版マニュアルでは基礎控除部分だけを記入します。 (4)令和5年分保険料控除申告書 →控除対象の保険料を申告するための書類です。 (5)住宅借入金等特別控除申告書 →住宅ローン控除を申告するための書類です。 ※この書類は、初年度に確定申告を行うと税務署から9年分(11年分)郵送されてきます。 3 扶養控除等申告書の書き方 ※注意※この用紙に個人番号(マイナンバー)は記入しないでください。 各項目記入及びマニュアル 原則として、令和5年・6年分(2枚)の書類に同じ内容を記入しますが、来年に扶養状況が変わる予定の方(子が16歳になる、子の就職予定など)は、令和6年分はその情報で記入します。 ここに記載する各控除は【こちら】で説明しています。 ① あなた自身の情報を記入します。 ② 源泉控除対象配偶者の情報を記入します。 源泉控除対象配偶者とは、次の要件を両方とも満たす配偶者です。 ・あなた自身の合計所得金額が900万円(給与年収の場合1,095万円)以下であること ・配偶者の合計所得金額が95万円(給与年収の場合150万円)以下であること ③ 控除対象扶養親族(16歳以上の扶養親族)を記入します。 ※16歳未満(12/31時点で)の扶養親族は⑥へ記入します。 ※1年以上海外に住んでいる場合は、送金に関する書類の提出が必要です。 ④ 障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除を記入します。 ・該当する控除の項目に✓を付し、右にその内容などを記入して下さい。 ・障害者控除は、各項目に対象人数を記入して下さい。 【勤労学生控除の場合の記入例】 ⑤ 他の所得者が控除を受ける扶養親族等 この項目は複雑なので該当する方には個別に連絡します。 一旦何も記入しないで提出してください。 ⑥ 16歳未満の扶養親族情報を記入します。 ⑦ 扶養親族が退職手当を受け取った場合(退職手当以外の所得の見積額が133万円以下)はこちらに記入します。 上でこの用紙の記入は終了です。 4 基礎・配偶者・所得金額調整控除申告書の書き方 ※注意※この用紙に個人番号(マイナンバー)は記入しないでください。 <書類の説明>次の3つの申告書が1枚になったものです。自身に該当する項目だけ記入してください。 ① 基礎控除申告書(原則全員が対象) ② 配偶者控除申告書(配偶者控除がある方が対象) ③ 所得金額調整控除申告書(年収850万円超の一部の方が対象) ① 基礎控除申告書の書き方 ステップ①の枠へ今年の給与収入の見込額を記入します 2箇所以上の給与は合算額を記入します。 ※年収約2,400万円以下の人は影響がないので金額はざっくりで結構です。 ステップ②給与以外の収入がある人だけ 給与以外の収入の今年の利益見込額を記入してください。 以上!! その他の部分は空欄でOKです。 ② 配偶者控除等申告書の書き方 ステップ①配偶者の情報を記入してください。 ステップ②基礎控除申告書と同様に、配偶者の今年の収入金額を予想して記入してください。給与収入150万円以上では控除額に変動があるので、該当する方はなるべく正確に記入してください。記入は収入金額だけで、所得金額の計算は不要です。 ③ 所得金額調整控除申告書の書き方 あなたの給与収入が850万円以下の場合、ここは関係ないので無視してください。 該当する方には、後で個別に連絡します。 対象者は年収850万円超の方で次のどれかに該当する人です。・本人が特別障害者・扶養している配偶者「同一生計配偶者」が特別障害者・扶養している親族が特別障害者・扶養している親族が23歳未満※※夫婦2人とも年収850万円超で23歳未満の子供がいる場合、夫婦両方とも該当します。 所得金額調整控除申告書の書き方・該当する人は左側の要件にあるチェックボックスに「✓」をつけてください。・右側の扶養親族等に要件判定した親族等の情報を記入してください。 以上でこの用紙の記入は終了です。 5 保険料控除申告書の書き方 この用紙は今までと変わらないので、分かる人は今まで通りに記入してください。以下ポイントだけ記載します。 ①生命保険料 国税庁HP 対象となる保険料は保険会社から控除証明書が送られてきます。 送付された控除証明書を見ながら内容を記入します。 控除証明書には制度の(新・旧)と保険の区分(一般・介護・個人年金)が記載されているのでそれぞれを分けて記入します。 <表にすると5つの区分に分かれます。> 一般介護医療個人年金旧制度旧・一般※旧・個人年金新制度新・一般介護医療新・個人年金 ※旧制度に介護医療の区分は有りません。 ※1枚の証明書に新旧や2つの区分が書いてある場合もあります。 記入する金額は、控除証明書に記載の申告金額を記入します。(支払済金額ではない) それぞれの金額を記入したら集計して控除額の計算をしますが、控除額の計算はこちらで行いますので計算欄は未記入でもOKです。 自分で控除額を計算する場合【こちらのサイト】をご利用ください。 一緒に保険料控除証明書(原本)の提出が必要です ②地震保険料 国税庁HP 対象になる地震保険料は、自分や同一生計親族等の所有する家屋にかけているものです。 (別荘などの保険は対象外) 詳しくは国税庁HP参照「地震保険料控除の対象となる保険契約」 一緒に保険料控除証明書(原本)の提出が必要です ③社会保険料 国税庁HP ここに記載するものは自分で個別に支払ったものだけです。 給与から引かれている社会保険料・厚生年金保険料などはここには記載しません。 主要なもの※一例 ・国民年金保険料控除証明書(原本)の提出が必要です ・国民健康保険料※ ・後期高齢者医療保険料、介護保険料など※ ※国民健康保険料、高齢者医療保険料、介護保険料などは控除証明書が有りませんので、自己申告で金額を記入します。(金額が不明の場合、市役所などへ問合せてください。) 保険料は、あなたが支払った家族分も控除に出来ます。 ④小規模企業共済等掛金控除 国税庁HP 該当するものは3つです・小規模企業共済・確定拠出年金(401K・iDeCo)・心身障害者扶養共済制度の掛金該当する人は、支払金額を記入してください。払込証明書等(原本)の提出が必要です 以上でこの用紙の記入は終了です。 6 住宅借入金等特別控除申告書の書き方 ローン初年度 今年初めて住宅借入金等特別控除を受ける人は年末調整では出来ませんので確定申告を行ってください。 2年目以降 1年目に確定申告を行うと、税務署から9年分(11年分)の申告書が郵送されてくるので、毎年1枚ずつ使って年末調整で提出します。 提出書類 ※必ず2つとも必要です。 ① 記入した「住宅借入金等特別控除申告書」 ② ローン会社から郵送された今年の【残高証明書(原本)】 申告書の記入 「住宅借入金特別控除等申告書」は必ずあなたが記入してください。 未記入で提出されても、控除の計算をできないのでそのままご返却いたします。 わからない部分があればLINEでご質問ください。 7 書類の提出 お疲れ様でした、以上で年末調整の書類記入は終了です。下記書類一式を会社へご提出ください。 ◯表紙になっている「令和5年分年末調整のご案内」※署名・質問回答は必須です。◯記入した書類全て◯添付書類(下記)・令和5年中に前職の給与がある方:前職の令和5年分源泉徴収票・各種控除証明書等の原本・障害者控除の対象:障害者手帳等・勤労学生控除の対象:学生証のコピー 前職の源泉徴収票について ※令和5年に前職の給与がない場合は不要です。 ※源泉徴収票を提出しないと年末調整を行えません。 前職からまだ出せないと言われた場合 会社は退職後最後の給与支給時に源泉徴収票を交付する義務があります。 新しい職場の税理士にその様に言われたとお伝え下さい。 源泉徴収票がもらえない場合には次の順番で対応してください。 ①勤務先に「税理士から指示されている」と伝える。 ②勤務先に「税務署へ相談する」と伝える。 ③税務署へ「源泉徴収票不交付の届出手続」を行う。 記入方法は【こちら※外部サイト】を参照してください。